現在とは?/ キャッシュワン
[ 230] 東京国立近代美術館:草間彌生―永遠の現在
[引用サイト] http://www.momat.go.jp/Honkan/Yayoi_Kusama/index.html
網目や水玉が増殖し画面を埋めつくす絵画。突起物が表面を覆う彫刻によるインスタレーション。光が無限に反復する鏡の部屋。1960年代、ヤヨイ・クサマの名前は、それらの独創的な作品とともに国際舞台を駆けめぐりました。70年代初めに東京に拠点を移してからも、国内外での活躍にはじつに目覚しいものがあります。 思い返せば、草間彌生はいつも、みずからの心中から湧き上がるヴィジョンで「絵画と彫刻」「芸術と生活」あるいは「芸術と社会」の境界を乗り越え、小宇宙から大宇宙まで、すべてがくまなくみずみずしい生気で満たされた世界を快復しようとしてきました。その芸術は、私たちを取り巻く環境が徹底的に細分化され、制度化されてしまった現代にあって、けっして分割しえぬもの――愛や、生命や、そして宇宙の側からの、私たちへの呼びかけともいえるでしょう。 本展は、壮麗な展開を見せる80年代以降の絵画・彫刻や、近年の光とオブジェによるインスタレーションに初期の代表作をまじえて、時間の流れにとらわれない空間をつくりだします。時には劇的な変容を見せながらも、つねに変わらない草間彌生のメッセージ。草間ワールドの「永遠の現在」をお愉しみください。 1939年の初期作品から2004年の新作インスタレーションまで、各年代の作品を網羅。のべ約100点が展示されます。けれども、いわゆる回顧展ではありません。草間彌生の変わらないメッセージを伝えるために、時代順の展示ではなく、テーマに基づいた様々な空間を連続させます。ホワイト・キューブの空間にまでネットが増殖してくるかのような白いネット・ペインティングだけの部屋。男根的な突起物が表面を覆う銀色のソフト・スカルプチュアが密集する部屋。小さくとも広遠な世界を孕むコラージュ作品が見る者を取り囲む部屋・・・。2004年のホイットニー・バイアニュアルで好評を博した《水上の蛍》は日本初公開となります。これらのめくるめく空間を歩む先に見えるのは、死や恐怖といったネガティヴな世界ばかりではなく、永遠の愛を語りうるトポス(場)でもあるはずです。なおこの「草間彌生」展は、その内容を増殖・変容させながら、約1年をかけて、5つの美術館を巡回します(サブタイトルが各会場で変わります)。またカタログは中島英樹によるデザインで、美術出版社から書籍化もされる予定です。 長野県松本市に生まれる。少女時代から幻視・幻聴体験にみまわれる中で水玉と網模様をモティーフに絵を描きはじめる。1948年より京都市立美術工芸学校で日本画を学んだのち、1952年に初個展。1957年に単身渡米。ニューヨーク他で発表した「無限の網」によるモノクローム絵画で一躍注目され、欧米各地の国際展に参加する。その後も布製の突起物で覆われたソフト・スカルプチュアや、鏡貼りの一室に電飾をほどこしたインスタレーション等を創始。1966年ヴェネツィア・ビエンナーレにゲリラ的に《ナルシスの庭》を出品。また1960年代後半には反戦など社会的メッセージをこめたパフォーマンスのほか、ボディ・ペインティングやファッション・ショーなど多数のハプニングを展開した。映画も製作、自作自演の映画《草間の自己消滅》(1968年)は第4回ベルギー国際短編映画祭など各地の映画祭で入賞。1973年に帰国後は小説家・詩人としても活躍、『クリストファー男娼窟』で第10回野生時代新人賞を受賞した。北九州市立美術館(1987年)、ニューヨーク国際現代美術センター(1989年)などで個展を開き、1993年にはヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表となる。1998-99年、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムを皮切りにして、ニューヨーク近代美術館、ウォーカー・アート・センター、東京都現代美術館を巡回する大回顧展が開催された。2000-03年にはインスタレーションを中心とした個展が、コンソルシウム(ディジョン)からはじまり、パリ日本文化会館やアート・ソンジェ・センターなど欧州および韓国を巡回。2004年には森美術館と札幌・芸術の森美術館で、「KUSAMATRIX」展が開催された。2000年第50回芸術選奨文部大臣賞受賞、2001年朝日賞受賞、2003年フランス芸術文化勲章オフィシェ受勲、2004年信毎賞受賞。 このページをプリントアウトして、チケット売り場にお持ちください。下記の割引料金でご覧いただけます。 |
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